音読だけで本当に英語が話せるようになるのか
2017/01/14
Contents
英語を音読でマスターするという本はとても多い
「最強の英語独習メソッド パワー音読入門」
「一日5分で英語脳をつくる音読ドリル」
「ミラクル音読法があなたの英語に奇跡を起こす」
「英語は”音読”だけでいい!」
どれも本屋さんに並ぶ、英語音読の本のタイトルです。どうやら英語の学習界ではしばらく前から「音読ブーム」が来ているようなのですけれども、本当に効果があるのかな?ということで調べたことをまとめますね。
何のために音読をするといいのか
英語を声に出して読む、発話する、というのは英語習得に欠かせないステップです。話せるようになりたいのに、口にも出さず机の上で勉強したり暗記するだけではダメですよというのは当然です。
ですので、音読することで「英語をそのままパッと理解し、口に出すためのトレーニングをする」ということが目的になります。ただし、正しい方法でやらないと、かえって回り道になったり、へんなくせがついてしまったりします。
こんな音読ならやらないほうがいい
適当なやり方の音読はダメです。例えば・・・
- すらすらと読めるものの、意味が全くわかっていない棒読み
- 発音は気にせず、ただただ文字を追って読む
正しい音読のやりかたとは?
じゃあ、どうやってやればいいのかというと、やっぱり闇雲に読めばいいというのではなく、ステップがありました。
- ステップ1 まず単語や構文の意味を調べ、文のなりたちを理解する。
- ステップ2 出てくる単語の正しい発音を知る。複数の単語がつながって聞こえる「リエゾン」についても理解しておく。
- ステップ3 短めに区切って音読し、次に意味を考えながら暗唱する。
ここまでやると、文章の意味をしっかり自分に馴染ませることができます。このあとで、少し長めの文章をリズム良く読んだり、早く読めるようになるまで繰り返すという音読をやればいいんですね。
これは、「リピーティング」「オーバーラッピング」「シャドーイング」などの方法を使ってやります。
勘違いしちゃだめ
ということは、「音読だけやればいい」といっても、正確には文法の知識も必要だし、単語やフレーズも知らなくちゃいけないということになります。
意味を理解した文を、繰り返し口に出すことで英語のアウトプットの脳内回路を作り上げる。というのが音読のメリットです。
「意味を理解した文」というところが大事なんですね。
どのくらいの量をやればいいか
初心者は、結局文法からか・・・とがっかりしましたか?
でも音読は、文法などの基礎学習と並行してやればいいんです。むしろそのほうが英語マスターの効率としてはアップします。
じゃあ、割合としてはどれくらいにすればいいのかというと、スーパー英語講師として有名な安河内哲也先生はこう言っています。
毎日2,3時間、少なくとも1時間実践する。
少なくとも学習時間の50%は音読に充てることをおすすめします。
机で勉強する習慣は持っていて構いませんが、半分以下の時間に抑えてください。
楽譜が読めるようになったら、弾けるように練習する(のが必要なのと同じ)。
(東洋経済オンライン 英語教育2.0のシリーズ記事より)
1時間音読するというのは回数で言うと、文章の長さにもよりますが、5文くらいがまとまった文章だとすれば50回くらいは読むことになります。理想は暗記してしまうくらい読むのがいいとか。
ただ読むのに疲れたら、「音読筆写」という方法もあります。これは口に出しながら書いていく方法で、スペルチェックもできますし、曖昧になりがちな冠詞とか接続語を抜かさないためにもいい。それにたくさん書いたノートを見ると、「勉強した~!!」という満足感が味わえるかも。
関連記事「「写経」を英文でやると英会話が上達するんです!写筆トレーニングのすすめ」
「音読パッケージ」の考え方とは
このブログでおすすめしている「瞬間英作文方式」でも、同時に「音読パッケージ」と呼ばれる音読学習を並行して行うことになっています。
森沢先生の「英語上達完全マップ」によると、音読は、英語上達の要とも言える、「文構造・意味を把握している文を、脳・音声器官を通じて出し入れすること」が効率的にできます。
といっても、ただ繰り返し読むというのでは飽きてしまうし、単純作業になってしまいます。それを避けるために、リピーティング→音読→シャドーイングという順番で音読をサンドイッチにするのが「音読パッケージ」です。
このサンドイッチ方式で同じ文を30回読むというのが森沢式。詳しくはこちらで書いています。→「「音読パッケージ」のやり方 忙しい主婦なのに30回もやらなくちゃだめなの?」
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変な癖が付いていない初心者のうちに英語を聞き取れる耳を作っておけば、自然に正しい発音もできるようになり、本当の意味で実践的な英語力が付きます。
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